2012年10月17日水曜日

危険な関係

監督:ロジェ・ヴァディム

圧倒的な面白さ!美しい美しいアネット・ヴァディム、ツンツン感がたまらなくかわいいジャンヌ・ヴァレリー、そして堂々たる悪女っぷりを披露するジャンヌ・モロー。彼女たちを見ているだけで最高に楽しいのだが、ロジェ・ヴァディムによる演出も素晴らしいの一言。

ジェラール・フィリップがジャンヌ・ヴァレリーを陥落させるシーンなんか最高だ。フィリップがヴァレリーの足をさするのを布団ごしに撮るショット、そして二人がソファーでキスをするショットの可笑しさ!

あるいはフィリップとアネット・ヴァディムが結ばれる瞬間の、二人の口づけを真横から撮ったショットの美しさ。このショットの照明の何て美しいことだろう。

そしてジャンヌ・モローが、ジャンヌ・ヴァレリーの恋人に公園で出会うシーンの繊細な撮影。ベンチに二人が腰掛けたワンショットは、左奥にブランコに乗る子供の姿が捉えられていて、とっても愛らしいショットだし、そこからぐるっと180度カメラが回転してみせる演出、そして二人が別れた後、男が去っていくのを撮り(帰り際に子供の紙飛行機をとってやるっていう演出が良いよねー)、そのままカットを割らずにパンして、ジャンヌ・モローの後ろ姿を捉えた魔術的に美しくカッチョいいショット!いやー素晴らしい(さらにカメラがモローに寄って、ぐるっと前に回って彼女のうるんだ瞳を捉えるのもまた素晴らしい)。

終盤のバーのシークエンスでは、演出のフォーカスが主役二人から、バーではしゃぐ女たちや愉快に演奏するバンドの人々に移っていて、ここの空気感もまた楽しくていいねー。

その他、アネット・ヴァディムがバーに現れるシークエンスや、あるいはジャンヌ・モローとフィリップがやや険悪気味に会話するシーンで、カメラが突如窓の外に出て、吹雪とともに二人を撮ってみせる見事な演出、などなど、もう数え上げたらキリがない豊かでロマンチックで遊び心に満ちあふれた細部の数々!映画の喜び、ここに極まれり!

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