2014年4月21日月曜日

ファザー、サン

監督:アレクサンドル・ソクーロフ

父子の物語である。ソクーロフ風の。最初から父子同士が親密に肌を重ね合わせているし、父親が息子の訓練を見に来るシーンのあの”爽やかな”(爽やか過ぎて怖い!)笑顔からして、もうこれは理解不能な何かであって、しかしこれがめちゃくちゃ面白くて、あっという間に終わってしまうのだから恐れ入る。
父と子の関係性を描きつつ、物語の謎を謎のまま残すあたりとか、少し『エル・スール』なんかを思わせもするが、まぁ的外れな連想だろう(笑)

しかししかし、この映画で最も衝撃的な印象を残すのは、主人公の青年が好意を寄せる少女を演じたマリーナ・ザスーヒナだ。
彼と彼女が窓を隔てて会話をするあのシーンなど、ソクーロフにしか許されないんじゃないか、という気がする。なんだあれ(笑)ハッキリ言って、あの切り返しなら1時間以上ずっとあれでも夢中になってしまうだろう。思えばソクーロフといえば、『孤独な声』のあの男女の切り返しがこれ以上ない甘美さを画面に定着させていた。

それとあとは、窓と窓をたなぐ板の上で繰り広げられる唐突でスリリングなエピソードも素晴らしい。なんかEDM風のBGMのもと、とんでもない速度で人々が入れ替わり立ち替わり登場し、あっという間に男4人の取っ組み合いが始まるのだ。ここまで来ると、もう誰もかなわない。知らんけど。

ということで、これまたソクーロフのすごい映画。

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