2014年9月12日金曜日

フライトゲーム

監督:ジャウマ・コレット・セラ

『アンノウン』は超面白かった。あまり覚えてないが、成りすましの人と大学で対面して同じセリフをまくし立てるとこの振り切れ感とか、あるいは美術館での熟成した演出の手際だとか、ダイアン・クルーガーとか、そもそも『フランティック』じゃないかこれは!という感じが。ついでに言えば車の逆走なんかも笑わせてもらった。
(『アンノウン』はとにかく笑えるアクションなのだ。)

で、『フライト・ゲーム』なのだが、まず冒頭いきなりリーアム・ニーソンがウイスキーを飲んでるのをスローモーションで映してる。
「え、トニスコ?」とびっくりしてると、急にフルショットで引いて、離陸する飛行機をバックにした見事な構図でリーアム・ニーソンがおさまる。良いオープニングだ。
で、そのあとの空港のシーンでは、やたら被写界深度の浅い画面が続く。ニーソンが注意を送る人物にだけフォーカスのあたったよく分かんない画面が続くのだが、これもトニスコなのだろうか?よくわからない。

が、全編見た上で言うなら、この空港のシーンは結局何がしたいのかわからん。
空港ってさ、高い天井に、ランダムに行き交う多国籍の人々がいて、バリバリ仕事できるスッチーがいて、長い動く歩道があるわけじゃん。そういう空間的条件ガン無視で、これかよ。。。
『アンノウン』はホテルや大学の空間造形が冴えてませんでしたっけと。

(このあたりでもうバレバレなのだが、僕はコレット・セラは『アンノウン』しか見てません。すみません。)

さて、まぁ機内でのサスペンスに関して書いてると終わらないので、要所だけ。
まず、乗客がまるで面白くない。ウェス・クレイヴンの『パニック・フライト』のような魅力的な乗客がいない。リーアム・ニーソンの隣に坐るのは、おいおいジュリアン・ムーアかよ。まるで盛り上がらない。あの医者にしても、何もしてないじゃないか!(当たり前だ、分子神経科学者だもの。)

メールのやりとりがひどい。まるで緊張感がない。
「こっちには理由があるぞ」→「どんな理由だ」→「十分な理由だ」
はぁ?みたいな。
あと、TSA本部とのやりとりも全然緊張感がなくて、「うわぁ、これじゃリーアム・ニーソンがテロリストにされちゃうぞ~!」っていうサスペンスがなくて、気づいたら「お前がテロリストだべ?」みたいな。いやぁ。
でもこれも予算不足で本部の撮影ができなかったんだろう。知らないが。


あと、確かに極限状況での疑心暗鬼とそれを打開するアクション、みたいな構図があって、これは脚本の大きな旨味だと思うのだが、これもあまり盛り上がらない。
まずモブ=乗客へのディレクションが中途半端である。誤報ニュースを見ても、あまり騒がない。「不自然」とかいうわけではなく、これでは盛り上がらないだろう。
しかし予算の問題もあるだろうし、乗客があんまり騒ぐと収集つかなくて本当に何もできなくなりそうだし、まぁ良い。
ジュリアン・ムーアは悠長に酒を飲んでるし、そもそもお前みたいなババァが非常事態でも自由気ままでいる女とか演じても少しも魅力的じゃないことに気付け。出演を断れ。
あと、極限状況での疑心暗鬼とそれを打開するアクションとか説得って、さんざん色々やられてきて、それこそ"I believe you."なんてセリフは、本当にアメリカ映画の最大の武器、って感じがするけども、でももっと良い"I believe you."があったのではないか。

で、あと、このシーン、この瞬間、この顔を撮るんだ!っていう意気込みを全く感じないんだよね。
I believe you.にしても、うーんこのクローズアップでいいの?みたいな。

犯人の動機はちょっとなめすぎだと思うし(でもこれは色んな意見がありそう)。

飛行機内のアクション映画ってあまり見たことがないので、ちょっと色々見たい。『フライト・ゲーム』を見ると、なんかやりにくそうだな、という印象があるが。

なんだろうな、もう全体としてはぁ?って感じで、乗客全員死んでいいと思っちまったよ。





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